ワインの世界では確かにフランスやイタリア、スペインが有名ですが、カナダのワインも味、香り、酔い心地は引けを取らないと思います。広大なカナダの変化に富んだ風景の中にはあらゆる品種のブドウやワイナリーがあり、そこでは今まで味わったことがない美味しい“大人のぶどうジュース”が作られています。
次のカナダ旅行では、評判の高いワインの産地に出かけ、世界中で愛される飲み物・ワインのカナダ産の良さを是非確認してください。
ノバ・スコシア州
ノバ・スコシア州は面積が小さいながらもたくさんのワイナリーを育ててきた土地です。実際のところ、大西洋に面するノバ・スコシアにはいくつかのワイン生産地域があり、ワインという観点からみると、この小さな州でも十分楽しむことができます。70を超えるブドウ生産者に800エーカーにおよぶブドウ畑、そして産地を代表するワイン、タイダルベイがあることを考えると、ノバ・スコシアが1600年代に北アメリカで初めてブドウを栽培した地域の1つであることに驚きはないでしょう。海に面するこの州の気候や土壌は、個性豊かなブドウ、つまりはワイン作りに適しています。ワインにどっぷり浸かるならグッド・チア・トレイル(Good Cheer Trail)を訪れましょう。カナダ初のワイナリーやクラフトブルワリー、そして蒸留所ツアーがこのトレイルに集まっています。
イースタン・タウンシップス
イースタン・タウンシップス、より具体的に言うとケベック州のブロム・ミシスクワ地域(Brome-Missisquoi region)は、ケベックのワイン生産の60%を占める21のワイナリーを結ぶワイン・ルートの中心です。ケベック最古の2つのワイナリーを含むこの街道には美味しいブドウの産地であるだけでなく、息を呑むような絶景や他では見られない遺産に触れることができます。130キロを超える田園地帯の曲がりくねった道を進みながら、ロゼやアイスワインなど地元の特産品を味わいましょう。
エリー湖北岸とピーリー島
アメリカの都市・デトロイトから車で30分の距離にあるエリー湖の北岸とピリー島(Lake Erie North Shore and Pelee Island)は、カナダ最南端のワイン産地で、10軒を超えるユニークなワイナリーがあります。トロントから4時間のこの地域は暖かい日差しと爽やかな風が心地よく、さまざまな品種のブドウの栽培に最適です。甘みと酸味のバランスが絶妙なブドウや、そのほとんどが水に囲まれた地勢など、いくつかの理由が重なり合って素晴らしいワインを作り出しています。ワインを楽しみながら豊かな自然にも親しめます。
プリンス・エドワード・カウンティ
オンタリオ州で最も急成長しているワインの産地、プリンス・エドワード・カウンティ(PEC)はオンタリオ湖沿岸にある注目の地域です。PECはナイアガラ・オン・ザ・レイクの真向かいにあり、栽培されている品種もよく似ていますが、PECの土壌には石灰石が多く含まれていることで、有名になってきています。冬は寒く夏は暖かいこの地域はブドウの栽培に最適なのです。30軒以上のワイナリーがあり、極上のソーヴィニヨン・ブランやシラーは忘れずに味わいましょう。さらにこの地域は2015年にアメリカの主要旅行雑誌『Travle + Leisure』で最高の旅行先の1つに選出されました。今度はあなたが「一生に一度は訪れたい場所リスト」にこの趣のあるプリンス・エドワード・カウンティを加える番です。
ナイアガラ半島
ナイアガラ半島は絶景だけでなく、芳醇で風味豊かなワインも有名で、カナダでワインを語る時によく話題にのぼる地域の1つです。ジャクソン・トリッグス(Jackson-Triggs)やイニスキリン(Inniskillin)といった有名ワイナリー以外にもたくさんのワイナリーがあるナイアガラ半島は、他に類を見ない絶景であるナイアガラ・オン・ザ・レイクから穏やかな雰囲気のグリムスビーまで広がっています。その肥沃な土壌は甘くて美味しいアイスワインなどにぴったりのブドウの生産に適しています。五大湖のうちの2つに挟まれたこの地域の気候はフランスのワイン生産地と似ている点が多く、ワイン愛好家であれば必ず訪れるべき場所であることがわかるでしょう。さあ、ワインを求めてナイアガラ半島へ出かけましょう!
トンプソン・オカナガン
ブリティッシュ・コロンビア州の多様な気候の中でも、ナラマタ(Naramata)のような特に有名な地域では実に多種多様なワインが楽しめます。120軒以上のワイナリーを擁することからも分かるように、トンプソン・オカナガン は有数のワインの産地で、1回の旅行ですべてのワイナリーを訪れることができたらいいのに、と思わずにはいられません。オカナガン地域は世界で最も北にあるワインの産地とも呼ばれており、ピノ・グリ、ヴィオニエ、ガメイ・ノワールなど、寒冷な気候で作られる様々な品種のワインの産地として知られています。長く連なる湖に沿った好立地にあるためブドウ園と湖岸の両方を楽しむことができ、夏の休暇に最適です。その他にも素晴らしいワイン祭りやワイナリーのサイクリングツアーなど、たくさんの楽しみ方が用意されています。ワインだけでは物足りないなら、シードルはいかがでしょう。この地域はシードルでも注目を集めるようになり、ここで収穫される人気のリンゴを育てているリンゴ園がいくつかあります。
シミルカミーン
エア・カナダの機内誌『enRoute Magazine』で取り上げられるまで無名だったシミルカミーン(Similkameen)も、やっとその名前が知られてきました。 気温が高く乾燥した渓谷であるシミルカミーンでは長年フルーツの栽培が行われてきました。近年は山々を背景にしたワイナリーが人気を確立し始めています。今では14軒ほどのワイナリーがあるこの地域は、乾燥した気候でブドウの栽培に最適です(ブリティッシュ・コロンビア州に砂漠があるなんて知らなかったでしょう)。さらに嬉しいことに、この地域のほとんどの生産者が有機農業に取り組んでおり、美味しいだけでなく環境にも優しいワインを楽しむことができます。
バンクーバー島&ガルフ諸島
飛行機でジョージア海峡(Strait of Georgia)を越えると、西海岸のワイン産地の上空にいることに気が付きます。絵のように美しい海岸線や素朴な田舎の街並みとともに、サーニッチ半島(Saanich Peninsula)やガルフ諸島(Gulf Islands)、カウチン渓谷(Cowichan Valley)の至る所に点在する小規模なワイナリーを見つけることができます。ビクトリアから北へ約40分のカウチンバレー(Cowichan Valley)だけでも15の試飲室があり、その人気の高さを感じていただけるでしょう。バンクーバー島の南東部に集中しているワイナリーは、ワインだけでなく最高級の料理やビールなどの発展も促進しているこの地域の全体的な食のムーブメントを後押ししています。ピノ・ノワールやピノ・グリなどの様々なワインをはじめ、家族経営で落ち着いた環境で栽培されたフルーツを使ったスパークリングワインやフルーツワインを味わいにワイナリーに立ち寄ってみましょう。
ワールドクラスのワインを楽しみに、カナダへお越しください。間違いなくみんなに話したくなる、多種多様な美味しいワインがあなたを待っています。