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2024年はモンゴメリ生誕150年

150th Birthday

2024年はモンゴメリ生誕150年

2024年は、児童文学作品として定評ある『赤毛のアン』の作家、ルーシー・モード・モンゴメリの生誕150年に当たります。シリーズ第1作となる『赤毛のアン』は、1908年に出版されて以来、今に至るまで絶版になったことは一度もないほどの人気を誇り、これまでに累計発行部数は全世界で推定5000万部に達し、36カ国語に翻訳され、さらに点字版も発行されています。また、2017年にはカナダCBCとネットフリックスが共同制作した人気ドラマ『アンという名の少女』(原題:『Anne with an E』外部リンクタイトルe)を始め、ドラマ化・舞台化・映画化も盛んです。

聖地巡り:カナダ最小の州であるプリンス・エドワード島(PEI)州には、アンが暮らした美しい島を一目見ようと多くの人々が訪れます。アンの家があるアボンリー村は架空の地名ですが、PEIの北岸に位置するキャベンディッシュがモデルになっています。主人公のアン・シャーリーは、カナダ文化の象徴的な存在となり、物語を生み出した作家・モンゴメリは国宝級の存在となりました。

150th Birthday

モンゴメリは1905年にいくつかの出版社に『赤毛のアン』の原稿を送りますが、ことごとく出版を断られてしまいます。モンゴメリは、原稿を帽子箱にしまい込み、2年が経過します。1907年、原稿に手を入れ、再び出版社に持ち込みました。この肉筆原稿は、全編がオンライン外部リンクタイトルeで閲覧できます。シャーロットタウンにあるコンフェデレーション・センター・オブ・ジ・アーツには、肉筆原稿が収蔵されていて、その一部が展示されています。1923年、モンゴメリはカナダ人女性として初めてロイヤル・ソサエティ・オブ・アーツ(王立技芸協会、RSA)の会員になりました。この世を去った翌年の1943年、カナダの歴史に名を残した国の重要人物に選定されました。

州を挙げてのお祝いムード:プリンス・エドワード島州では、ルーシー・モード・モンゴメリと不朽の名作『赤毛のアン』に捧げる文学の祝典が盛大に開催されます。

  • モンゴメリが作品で生き生きと描いた美しい舞台を訪ねる新しい文学ツアーも始まりました。聖地巡りに便利なマップはこちらでダウンロード外部リンクタイトルeできます。
  • 世界一のロングラン上演を誇るミュージカル作品『ミュージカル・赤毛のアン外部リンクタイトルe』は、2024年にシャーロットタウンのコンフェデレーション・シアターで上演されます。その後は1年おきの上演が計画されています。
  • ミュージカルはまだあります。シャーロットタウンのフローレンス・シモンズ・パフォーマンス・ホールで大人になったアンの恋愛を描く『アン&ギルバート外部リンクタイトルe』が上演されます。
  • カナダの国定史跡に指定されている赤毛のアンの家(グリーン・ゲイブルズ・ヘリテージ・プレース)も見どころです。 モンゴメリが暮らしたキャベンディッシュの家、「グリーン・ゲーブルズ・ハウス」、「お化けの森」、「バルサム・ホロウ・トレイル」、「恋人の小径」なども人気があります。パークスカナダ(国立公園管理局)外部リンクタイトルeは先ごろ、グリーン・ゲイブルズの大規模修繕工事を終え、展示ホール併設の新ビジターセンター、ギフトショップ、カフェが装いも新たに生まれ変わり、案内表示も刷新されました。
  • 赤毛のアンに関わる博物館やアトラクション、体験も多彩。主な見どころとしては、赤毛のアンの家(グリーン・ゲイブルズ・ヘリテージ・プレース)、プリンス・エドワード島国立公園、L・M・モンゴメリのキャベンディッシュ国定史跡(モンゴメリのキャベンディッシュの家、キャベンディッシュ合同教会、キャベンディッシュ共同墓地、モンゴメリ・パーク、アボンリー村の「赤毛のアン」ストア)などがあります。
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モンゴメリの生家

文学の拠点としてのアトランティック・カナダ:PEIにとどまらず、この地域一帯は重要な文学作品と深い縁があります。 カナダの郵便番号の「A1C」と言えば、セントジョンズ (ニューファンドランド&ラブラドール州)のダウンタウン地区をほぼカバーしています。実はこの区域は、カナダで最も多くのアーティストが生まれている伝説の区域と言われています。6冊のベストセラーを世に送り出した作家、ドナ・モリシー(Donna Morrissey)は、「A1C」区域の代表的な作家です。ノバ・スコシア州のファンディ湾は、『The Virgin Cure』や『The Birth House』などの作品を手がける作家、エイミー・マッケイ(Ami McKay)の故郷です。ニュー・ブランズウィック州も、『The Bay of Love and Sorrows』(後に映画化)、『Mercy Among Children』など受賞作を手がけた作家で、現在はカナダ上院議員でもあるデイビッド・アダムズ・リチャーズ(David Adams Richards)など、多くの作家に愛されています。

フェスティバルや書店が豊富:アトランティック・カナダは、国内トップクラスの文芸フェスティバルや書店もそろっています。フェスティバルとしては、フォグリット・フェスティバル、フライ・フェスティバル(以上ニュー・ブランズウィック州)、ウィンターセット・イン・サマー、ライターズ・アット・ウッディ・ポイント、スパークス文芸フェスティバル(以上ニューファンドランド)、アフターワーズ、カボット・トレイル・ライターズ・フェスティバル(以上ノバ・スコシア州)などがあります。個性的な書店としては、Elaine’s Books(ニューファンドランド&ラブラドール州セントジョンズ)、The Odd Book(ノバ・スコシア州ウルフビル)、The Bookman(プリンス・エドワード島州シャーロットタウン)、Westminster Books Ltd(ニュー・ブランズウィック州フレデリクトン)があります。

旅程に組み込みたい日:4月23日のカナダ・ブック・デー(本の日)には、オンラインショップよりも、実際の書店巡りを楽しみませんか。