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多様な味が溶け合うモントリオールの食シーン

多様な味が溶け合うモントリオールの食シーン

斬新さと伝統文化で食シーンを盛り上げるケベック州モントリオール。食に目がないグルメファンが世界中から集まってくるのも、うなずけます。シェフで作家の故アンソニー・ボーデインによれば、モントリオールは、「カナダ随一の独特なカナダ料理」があり、「ケベック州以外には見当たらない料理ばかり」だと言います。

食の風景:人口1人当たりレストラン軒数で北米トップクラスとされ、料理の多彩さでも定評あるモントリオールは、カナダの食の都外部リンクタイトルeとされています。歴史を感じさせるレストランやしゃれたカフェ、夫婦で切り盛りする食堂が軒を連ね、さらにパティスリーやイングリッシュ・パブ、ファーマーズ・マーケットなど、さまざまな文化が溶け合う風景外部リンクタイトルe第二次世界大戦中に大量に流入した移民の影響外部リンクタイトルeで生まれました。多彩な食文化がまるでモザイクのように受け継がれてきたモントリオールには、リトル・イタリー外部リンクタイトルeチャイナタウン外部リンクタイトルeなど、今や120を超える食のエリアがひしめきあっています。また、カナダ最古のユダヤ人街があるのもモントリオール。そのユダヤ人街から広まり、すっかり普及したスモークミート(牛肉の燻製)とベーグルは、今も歴史のあるユダヤ食のデリカテッセンで見つけることができます。古代のルーツ再発見:モントリオールと言えば、先住民レストランも最近増えてきました。地元産食材や伝統的レシピを重視しつつも、現代的なひねりを加えた多彩な料理が味わえます。ぜひ訪れたいのが、ラウンドハウス・カフェ外部リンクタイトルe(営業期間:5月〜10月)。先住民の雇用機会創出に貢献しています。同店は、バノック(大麦などで作る先住民の伝統的なパン)にさまざまなアレンジを加えたメニューのほか、コーヒー、サンドイッチが揃っています。

食の都を支える秘密:モントリオールは、代々受け継がれてきた肥沃な農地のおかげで、数々の新鮮な料理が生み出されています。現在、市内の430万平方メートル外部リンクタイトルeの農地で、フルーツや野菜の栽培が行われており、さらに今後の農業利用のために50万平方メートルの遊休地が用意されています。この辺りの土地は、「黒泥土外部リンクタイトルe」と呼ばれる独特の土壌があり、地元の農業関係者の間では、〝黒いゴールド〟と呼ばれるほど。この土壌は、沼地や湿地などの低地に多く見られ、タンニンを豊富に含むことから黒褐色をしています。有機物が極めて豊富(含有率は20〜80%)で、野菜が育ちやすい粗めの粒子を含んでいます。ケベック州には、この黒泥土が豊富なこともあって、カナダ産レタスの87%、カナダ産セロリの75%、ピーマンやカリフラワーの50%がケベックで生産されています。都市型農業:モントリオールでは都市農業も花盛り。世界初の商用屋上農園、ルファ・ファームズ外部リンクタイトルeがあるのも、ここモントリオール。その温室面積は実に1万2820平方メートルに及びます。ルファは、数百軒の農家や食品市場と提携し、屋上農園で栽培した農産物を市民に販売しています。成功事例は、これだけではありません。モントリオールには、すでに都市型農業の取り組みが1,377件もあり、地域共同農園、養蜂場、ホップ畑、シードライブラリー(種子の〝貸し出し〟事業)、鶏舎など多岐に渡ります。

著名シェフ:定評あるモントリオールの「食」を支えているのが、市内各地に店を出している著名シェフたち。例えば、ニューヨークに拠点を置くレッド・ルースターのシェフとして世界的に脚光を浴び、米国のバラク・オバマ元大統領が初めて主催した公式晩餐会の料理人として招かれたこともあるマーカス・サミュエルソン。2019年にフォーシーズンズホテル・モントリオール外部リンクタイトルeマーカス・レストラン+テラス外部リンクタイトルeをオープンしました。同レストランの良きライバルと言えるのが、リッツカールトン・モントリオール外部リンクタイトルeメゾン・ブリュ外部リンクタイトルe。こちらを切り盛りするフランス人シェフのダニエル・ブリュは、ニューヨークを始め、食で有名な世界の有力都市に10軒以上を展開しています。地元カナダ出身のシェフもグルメファンの間では高い支持を集めています。その代表格が、人気店ノラ・グレイ外部リンクタイトルeピッツェリア・エレナ外部リンクタイトルeを経営するエマ・カーダレリ、そしてスタイリッシュなタペオ外部リンクタイトルeメゾン外部リンクタイトルeを経営するマリーフルール・サンピエールです。


モントリオールの定番の味:モントリオールっ子は食に目がありません。モントリオールの定番料理もぜひ味わっておきたいもの。

プーティン:カナダの国民食とも言われるプーティンは、モントリオール発祥の料理です。フライドポテトにグレイビーソースとチーズカードをたっぷりかけた一種のファストフードで、1950年代にケベック州の田舎で誕生外部リンクタイトルeしました。今では、モントリオール各地で独創性豊かなアレンジメニュー外部リンクタイトルeも次々に登場するなど、国民食ならではの人気ぶりです。味わうならここ:ラ・バンキーズ外部リンクタイトルe(24時間営業)なら昼でも夜でもプーティンの味を堪能できます。しかもフレーバーは30種類以上あります。もっと手の込んだ料理なら、オ・ピエ・ド・コション外部リンクタイトルeがお薦め。この店のフォアグラ・プーティンは絶品です。


ベーグル:モントリオールで大人気の食べ物の1つがベーグル。18世紀に移民としてやってきたユダヤ人や東欧系の人々とともに持ち込まれました。モントリオール・ベーグルは、生地を蜂蜜シロップに浸し
てから焼き上げ、仕上げにゴマやケシの実をまぶします。ベーグルと言えばニューヨーク式が有名ですが、ニューヨーク式と比べると、モントリオール式は、甘みがあり、もっちりしていて、やや小ぶり。表面にカラメルがけで外はサクッと、中は柔らかいという特徴があります。お互いに最高のベーグルを謳い外部リンクタイトルe、良きライバル関係にあります。モントリオールに立ち寄ったら、ぜひベーグルを味わい、それぞれにとっての最高のベーグルを見つけてみませんか。味わうならここ:モントリオールの地元の人々と同じように、何はともあれ、市内最大のベーグル専門店、サン・ビアトー外部リンクタイトルeフェアマウント外部リンクタイトルeに足を運んでみましょう。


スモークミート:モントリオールに来たからには、ジューシーなスモークミートのサンドイッチを味わわないわけにはいきません。こちらもヨーロッパ系移民によって持ち込まれた味です。名店シュワルツ・デリ外部リンクタイトルeで席を見つけたら、人気メニューのスモークミート・サンドイッチをぜひ。ライ麦パンに挟み、イエローマスタードを添えていただきます。



地元産農産物:モントリオールの多種多様な新鮮農産物なら、地元のマーケットがお薦めです。野菜・果物のほか、地元産のチーズや精肉、鮮魚、パンが豊富に揃っています。味わうならここ:モントリオールでも屈指の歴史を誇るジャン・タロン・マーケット外部リンクタイトルeと、精肉店やチーズショップが豊富なアトウォーター・マーケット外部リンクタイトルeが人気です。

© Anne-Marie Pellerin - Tourisme Montréal

お薦めレストラン:モントリオールならではの料理が味わえるレストランをご紹介します。予約するなら、ここに挙げる定評あるレストランを。

トケ!外部リンクタイトルeは、ケベック産の旬の食材を大切に扱い、美しく盛り付けられた料理やきめ細やかなサービスが自慢です。テイスティングメニュー7皿に、相性のいいワインを組み合わせてどうぞ。

ヴァン・モン・ラパン外部リンクタイトルeは、ケベックならではの豊かな風土が反映された小皿料理のほか、独自に取り寄せたインポートワイン、ナチュラルワイン、ビオディナミ農法によるブドウを使用したビオディナミワインを始め、多彩なドリンクが揃っています。

ベバ外部リンクタイトルeは、イタリアンやスパニッシュの影響を受けたアルゼンチン・レストラン。温かく陽気な雰囲気に包まれて、存在感あふれる見事な料理を堪能できます。

ダマス外部リンクタイトルeは、賑やかな雰囲気の店内でエキゾチックな気分に浸りながら、豊かな味わいのシリア料理(潰したひよこ豆やそら豆に香辛料を混ぜてボール状に揚げたファラフェルにミントのフムス、ラムの骨付きあばら肉に、焼きナスの前菜であるババガヌーシュ添えなど)が楽しめます。

 Damas - Tourism Quebec

食の祭典:モントリオールの食をとことん味わいたくなったら、最適なイベントがあります。モンディアル・ドゥ・ラ・ビエール外部リンクタイトルe(モントリオール・ビア・フェスティバル、5月19日〜22日)はブリュワリー40社が野外会場に一堂に会し、150種近いビールを提供します。ケベック州のブリュワリーが手がける多彩なビールに加え、ポーランドやノルウェーなど世界のビール産地からのインポート・ビールも楽しめます。モンディアル・ドゥ・シードル外部リンクタイトルe(7月15日〜17日)は、サイダー(リンゴ酒)の祭典。スパークリング、スイート、ロックなどさまざまなスタイルで、リンゴの恵みであるサイダーを味わえます。