カナダの歴史を学ぶ方法はたくさんありますが、実際に史跡を1日訪問して、その世界に浸るほど効果的なものはそう多くないでしょう。衣装を身にまとった案内人を通じて学び、伝統的な料理を頬張り、古くから行われてきたアクティビティに参加することで、この偉大な国を形作ったストーリーを深く理解し、認識できます。
ここでは、カナダの歴史を追体験できる10大スポットをご紹介します。
ランス・オ・メドー国定史跡

ランス・オ・メドー国定史跡(L’Anse aux Meadows National Historic Site)では、ヨーロッパが最初にその存在を北アメリカに示した証を見ることができます。ニューファンドランド島とラブラドール地方を発見したのはバイキングで、ランス・オ・メドーでは11世紀にさかのぼる彼らの入植地跡の一つを見ることができます。役者が演じるバイキングと交流しながら、歴史的な建造物や構築物を探検できます。
クサン歴史村
ブリティッシュ・コロンビア州北部にあるヘイゼルトン(Hazelton)のコミュニティには、ギックサン族(Gitxsan)の村を再現した「クサン歴史村(Ksan Historical Village)」があります。7棟あるロングハウス(一番古いものは1959年建造)は、数百年あるいは数千年のあいだ、同じこの川辺に立っていたコミュニティを復元したものです。トーテムポールを見上げ、燻製場や貯食庫を訪問しましょう。
サントマリー・アマング・ザ・ヒューロンズ
1639年、フランスのイエズス会員たちが、オンタリオで初のヨーロッパ人コミュニティである「サントマリー・アマング・ザ・ヒューロンズ(Sainte-Marie among the Hurons)」を建設し始めました。ヒューロン・ワンダット族(Huron Wendat)の人々を対象としたフランスのイエズス会伝道会の本部には、教会や工房、仮宿舎などが含まれていました。この再現施設では、デモンストレーションや語り、ゲームを楽しみながら、フランス人とウェンダット族の交流の様子を知ることができます。
ルイブール要塞国定史跡

ルイブール要塞(Fortress of Louisbourg National Historic Site)の壁の中に足を踏み入れるや、1700年代へとタイムスリップできます。この国定史跡は、18世紀にこの大陸で最も繁栄した港の一つで、フランスの交易や防衛の重要拠点となっていました。フランス人の兵士や船乗り、使用人、子供たちと交流したり、たき火での調理を見たり、レース作りを見学したり、漁師から海の話を聞きながらラム酒を飲んだりできます。
キングス・ランディング歴史的集落
アメリカ革命時、砲撃から逃れたロイヤリスト(イギリス支持者)たちは北のカナダを目指し、平和なセント・ジョン川の川岸(現代のニューブランズウィック州)で新しい未来を作ることにしました。キングス・ランディング歴史的集落(Kings Landing Historical Settlement)では、1780年代~1900年代初頭のロイヤリストの日常的な暮らしを体験できます。「村人たち」が小麦や野菜を自分で栽培し、牛の乳を搾り、薪を割り、火を起こしています。
フォート・ウィリアム歴史公園
フォート・ウィリアム歴史公園(Fort William Historical Park)で200年の時をさかのぼり、時の毛皮の運び屋(voyageur)になってみましょう。この公園は、1800年代初頭にノース・ウエスト・カンパニー(North West Company)行った国内毛皮交易の本部があった場所で、カナダ建国の中心的な役割を担いました。42棟ある歴史的建造物を散策したり、19世紀の毛皮交易の社会を構成していた人々(スコットランドの毛皮商人やフランスの運び屋、職人、農民、オジブワ族の先住民等)と交流したりして、それぞれの物語に耳を傾けてみましょう。
フェスティバル・ドゥ・ボヤジャー

「世界最大のキッチンパーティー」と呼ばれるフェスティバル・ドゥ・ボヤジャー(Festival du Voyageur・航海者のフェスティバル)は、雪に覆われたウィニペグの街で、料理やエンターテイメント、フランス系カナダの遺産を体験できるイベントです。19世紀の毛皮交易所が再現された施設を見学したり、伝統的なフォーティファイド・ワインをがぶ飲みしたり、さまざまな会場で開催される数多くのライブ音楽パフォーマンスを楽しむことができます。マニトバ州の毛皮交易の歴史を称えるこのイベントは、毎年2月に10日間行われますので、お見逃しなく。
フォート・エドモントン

フォート・エドモントン(Fort Edmonton)では、1846年当時の姿のハドソン湾フォート (Hudson’s Bay Fort)を探検しながら、ビーズと物々交換をしたり、当時から来たキャラクターたちと交流したりします。そしてそこから、徒歩や馬車、路面電車に乗りながら1885年、1905年、1920年を象徴する道を進み、街の発展と拡大の歴史をゆっくりと辿りましょう。
バーカービル国定史跡

1862年、ビリー・バーカー(Billy Barker)がウィリアム・クリーク(Williams Creek)で砂金の選鉱中に金を掘り当て、そこから劇的なカリブー・ゴールドラッシュの時代が始まりました。当時を保存した博物館村「バークビル国定史跡(Barkerville National Historic Site)」では、100棟以上の当時のままの建造物を見学したり、厳格な裁判官や地元の酒場経営者など当時のキャラクターを演じる人々を見たりできます。
ドーソン・ヒストリカル・コンプレックス

ゴールドラッシュからゴールドラッシュへ。「ドーソン・ヒストリカル・コンプレックス(The Dawson Historical Complex)」は、史跡というよりは村と言えます。ここでは、保護された建築物が17棟あり、それぞれがゴールドラッシュの物語を伝えています。木製の遊歩道を歩きながら、雑貨店や鍛冶屋、ホテル、新聞社のビルに入りましょう。衣装を着用したガイドが、各施設を本物のように甦らせています。
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