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KV

グロスモーン国立公園

壮大な地球の歴史

UNESCO World Heritage Site

数億年の地殻変動の様子を伝える国立公園

観光船が進む湖は、およそ1万5千年かけて氷河が大地を削り取った痕跡だ。左右にそびえ立つ断崖は高いところで700メートル以上。東京スカイツリーをも凌いでいる。湖底までの深さを合わせると、氷河は900メートル近くも大地を抉りながら、ゆっくりと海に滑り落ちていったことになる。もう驚きと言うしかない。  

ニューファンドランド島の西岸に位置するユネスコ世界自然遺産「グロスモーン国立公園」。  
中でも氷河の壮大な物語を感じることができるここ、ウェスタンブルックポンドの観光船ツアーは絶対に体験してほしいポイントだ。かつてこの世界遺産をつくりあげた巨大な氷は、運んできた土砂を海底に盛り上げて海の中に「丘」をつくってくれた。「丘」の住みやすさが魚を呼び寄せ、魚が人を呼び寄せた。豊かな海の幸のおかげで、人々はここにウッディポイントをはじめ、素敵な集落をつくることになった。

赤茶けた巨大な台地テーブルランド

一方、赤茶けた巨大な台地「テーブルランド」は、地球の「核」近くにあるはずのマントルだ。それがどうして地表に飛び出しているのか。プレートテクトニクスによる大陸移動が地上にマントルを現出させたのだと分かるまで、「テーブルランド」は地質学者たちを悩ませ続けてきた。この地質学的な重要性もまた、1987年の世界遺産登録の理由となった。  

氷河の造形物とマントルの台地に出会ったあとは、その足でウッディポイントの町をめぐってほしい。地球の悠久の営みと、われわれ人間の小さな、小さな営みがシンクロしているように思えてくる。この場に立てている奇跡に、思わずため息ともつかない声が漏れてしまうだろう。

昔の面影を残す建物を生かしたサマーハウス
ラグフッキングを制作している様子

Woody Point

ウッディポイント

天然の良港として海産物の取引や海軍の拠点として栄えてきたウッディポイントは今、画家や音楽家、作家などが集まるアーティスティックな町となっている。昔の面影を残す建物はサマーハウスなどとして人気を博し、かつての教会も音楽などを楽しむ場として生まれ変わった。  
ラグフッキングを扱うおしゃれなクラフトショップなども並んでいる。