寒いからといって、家でじっとしていたらもったいない−−。冬のケベックシティが熱気に包まれるのは、寒さなんか吹き飛んでしまうほど楽しいフェスティバルやアトラクションがあるからなんです。スケートリンクをさっそうと滑る人々を眺めたり、冬の風物詩“氷のホテル”のベッドの寝心地を確かめたり。この街で最高に熱い冬のイベントを体験しているうちに、身も心もぽかぽかと温まり、幸せ気分になってきます。
ケベック・ウィンター・カーニバル
氷像、犬ぞりレース、メープルシロップといえば、世界最大の冬の祭典「ケベック・ウィンター・カーニバル」になくてはならないものばかり。
このカーニバルは17日間にわたって連日開催されます。氷が行く手を阻むセント・ローレンス川を舞台にした往復カヌーレースには思わず大興奮。世界30カ国から集まったアーティスト・チームが幻想的な巨大氷像づくりで腕を競うコンテストでは、実に360トンもの氷が使われるとか。雪に覆われた旧市街の狭い通りを疾走する犬ぞりレースには、度肝を抜かれるはずです。
もう少し落ち着いた雰囲気を味わいたければ、石畳の通りをのんびりと馬車に揺られてみてはいかが。立派な氷の宮殿の外では、フィドルの音色に癒されて心温まるひとときを。温かいメープルシロップの甘い香りに誘われたら、ぜひ試食コーナーへ。北米で唯一の城壁都市らしく、城壁に囲まれた一角でスケートが楽しめます。その後は、ビクトリア朝のランプが灯る通りを散策し、ほっと一息つける評判のレストランでケベックの地元料理を堪能してみませんか。
ケベック・ウィンター・カーニバルはとにかく大規模なだけに、常に新しい体験が待っています。カナダでは定番のニット帽をしっかりかぶったら、人気マスコットのボノム・カーナバルを探してみましょう。きっとふわふわの腕でぎゅっと抱きしめてくれますよ。
ジャンボリー
ケベックシティの賑やかな中心部で開催されるスノーボードとスキーをテーマにした大規模なフェスティバル「ジャンボリー」。ダウンタウンのホテルからほんの数ブロック歩くと、ハイウェイ沿いに造られた巨大な雪のジャンプ台が見えてきます。
ジャンボリーの目玉と言えるのが「ビッグエア・ワールドカップ」。急斜面を一気に滑り降りて空中でさまざまなエア(技)を繰り出す競技、ビッグエアの世界大会です。会場には世界トップクラスの選手が観客の頭上で見事な技を披露します。スノーボードに興味がなくても大丈夫。楽しいパーティーで盛り上がることができます。昨年のジャンボリーではイグルーフェストが開催されました。これは一夜限りの野外ダンスパーティー。防寒着に身を包んだ観客が踊り明かして盛り上がりました。
アイスホテル(オテル・ドゥ・グラース)
「氷のベッド」などと聞くと、まるで罰ゲームのようですが、おとぎ話に出てきそうなアイスホテル(オテル・ドゥ・グラース)に足を踏み入れれば話は別。氷のベッドも新鮮なわくわく体験になるはずです。ケベックシティのほぼ中心部にあるこのホテルは、北米唯一の氷のホテル。15年前の開業以来、生涯心に残る思い出づくりの舞台となっています。ホテルの建設には1万5000トンの雪と50万トンの氷が使われており、内部にはテーマに沿った44の客室とスイートルームがあります。
巨大な氷河のようなホテルに一歩足を踏み入れると、彫刻や柱、シャンデリアに至るまで、あらゆるものが氷という荘厳な雰囲気のロビーに驚かされます。手袋をはめて、アイス・サイダーが注がれた氷のシャンパン・フルート・グラスを手に取り、乾杯。屋外のスパとサウナでゆっくり温まったら、氷の壁に、氷の天井、そしてもちろん氷のベッドの客室へ。でもご安心を。客室内に設えられた暖炉の前でくつろげるため、凍える心配はありません。
防寒対策として重ね着が必要だとしても、アイスホテルで過ごす一夜のような経験は、ほかでは絶対に味わえません。営業は1月から3月まで。ぜひ営業期間中にアイスホテルという芸術作品を訪れたり、宿泊したりしてみては。
ケベックシティのドイツ・クリスマス・マーケット
市庁舎周辺では、なんとなくドイツらしい雰囲気に浸ることができます。それが毎年恒例のケベック・シティ・ドイツ・クリスマス・マーケットです。
市庁舎の敷地内に小さなログハウス風の売店がいくつも集まり、この一角がクリスマスの飾り付けやイルミネーションに包まれます。マーケット内をぶらぶらと歩いていると、ブラートヴルスト(ドイツのソーセージ)のおいしそうな香りが漂ってきます。マルドワイン(ホットワイン)やジンジャーブレッドも味わうことができます。クリスマス向けのさまざまなギフトやおみやげを見て回っていると、聞こえてくるのは素敵な合唱の歌声。ルフトハンザ・ウィンターバーで一杯飲んでいると、真っ赤な服を身にまとったサンタクロースが現れるかも。イベント全体が「このうえなく見事なヨーロッパ」の空気に包まれます。
ご紹介したイベントのほかにも、わくわくする多彩なイベントが盛りだくさん。詳細はケベックシティ観光局ウェブサイトをご覧ください。