カナダでは、ガイドブックで紹介されていない知る人ぞ知るユニークな体験がたくさんあるのですが、どこで体験できるのかわからなくては楽しみようがありません。地元の人たちが楽しんでいるように、カナダ各地の友人たちに、故郷のお気に入りスポットやおすすめ体験を紹介してもらいました。興味や情熱が湧き上がってきたら、このローカル・ガイドを参考に、カナダの活気ある都市や広大な荒野を旅してみませんか。
地元の情報をご提供いただいたタマラ・エリオット氏、ジェイソン・フィッツ氏、ジュリア・ウェーバー氏、ジェフ・フレネット氏、世界中の旅を綴ったブログ『Stoked for Saturday』、そしてケイル・レビック氏に感謝いたします。
カナダは風光明媚な景色や驚きの自然景観で定評がありますが、実は街には世界屈指のギャラリーや感動のパブリックアート、都会の美しい街並みがあふれています。
バンクーバー・ミューラル・フェスティバル(バンクーバー)
アートあふれる街
今では街の中の壁画をテーマにしたフェスティバルは珍しいものではなくなりましたが、バンクーバーは世界に先駆けて2016年にミューラル・フェスティバル(壁画フェスティバル)を開催したことで知られます。マウント・プレザント地区では、街のあちこちで美しいアートが見られます。この辺りを散策しながら、思わぬところに壁画を見つけるのも楽しいもの(散策のガイドにこの地図をどうぞ)。午後はコーヒーで一息つくもよし、地元のブルワリーのビールで喉を潤すもよし。職人技が光るカーテムズ(Cartems)のドーナツや(そのすぐ隣の)ブラスネック(Brassneck)のおいしいクラフトビールがおすすめです。
立体アート作品「ワンダーランド」(カルガリー)
パブリック・アートの力
カルガリーで一番の高さを誇る超高層ビル、ボウタワー。その足元にあるのが立体アート「ワンダーランド」。唯一無二と言っていいパブリック・アート作品です。著名なスペインのアーティスト、ジャウメ・プレンサが手がけた高さ11メートルの大きな作品は、少女の頭部を表現したもので、近年、都市としてのカルガリーの発展を目に見える形で表現したとか。ボウタワーを背景にすれば、写真映えすること間違いなし。
ケンジントン・マーケット(トロント)
素敵に生きるのも“アート”
旅行ガイドブックに必ず掲載されているのがケンジントン・マーケット。定番とはいえ、マストに立ち寄ってもらいたいスポットです。カルチャー、アート、音楽、食とどれをとっても際立っていて、北米でもほかに類を見ない独特の雰囲気があります。トロント随一の多様性にあふれ、刺激に満ちたスポットです。
インクウェル・モダン・ハンドメイド(ハリファックス)
自宅でも楽しめる地元発のアート
インクウェル・モダン・ハンドメイドは、ハンドメイドのプリントや活版印刷の手法でオリジナルのペーパーアートの制作を専門に手がける地元密着の素敵な専門ショップ。ユニークなカードやウォールプリントがおすすめです。
バンク・ストリート・アート(オタワ)
街を彩る壁画
アート・イン・ザ・オープン(プリンス・エドワード島)
島時間に育まれたアート
毎年夏の1週間、プリンス・エドワード島州の州都シャーロットタウンにはアートの波が押し寄せます。観光客も地元の人々もお目当てはダウンタウン全域で開催されるアート・イン・ザ・オープン。その名のとおり、街中がアート一色に染まります。活気あるこの島のアートに光を当て、地元のアートコミュニティ同士の絆を深める役割も果たしています。ダウンタウンで開催されるため、エリアの散策を兼ねてパフォーマンスやイベントを見て歩くのがおすすめです。詳細はフェスティバルのプログラムをご覧ください。
アートギャング(モントリオール)
先鋭的なギャラリーとブティック
アートギャング・モントリオールは、モントリオールを代表するインディーズ系アートショーを開催しています。ショーの開催がない日でも、常設展示が楽しめます。併設ショップでは、モントリオールの先端を行くファッションアイテムも購入できます。
アーガイル・ファイン・アート(ハリファックス)
常識破りのクラフト作品
アートシーンが大きな盛り上がりを見せているハリファックス。そんなハリファックスでも圧倒的な革新路線を打ち出しているギャラリーが、アーガイル・ファイン・アートです。カナダの著名アーティストや新進気鋭のアーティストの作品を展示しています。
パワー・プラント・ギャラリー (トロント)
これぞ真の現代アート
パワー・プラントはカナダ有数の公共ギャラリーです。ハーバーフロント・センターに位置し、トロントのウォーターフロント文化の拠点として、革新的な現代アートを展示しています。展示はインスタレーションや複数の構図を組み合わせた作品が多く、見る者に没入感や難解さ、インスピレーションを与えています。同ギャラリーは、世界の先駆的な新進気鋭の作家を見出して個展を開催することで大きな評価を集めています。
レオ・モール彫刻庭園(ウィニペグ)
屋外で味わう傑作
マニトバ州アシニボインの土手の上にあるレオ・モール彫刻庭園。その名のとおりレオ・モールが手がけた彫刻を随所に配置した庭園が来場者を迎えます。周囲には作品に負けず劣らず見事な庭園が広がっているため、じっくり時間をかけて園内の銅像を見て回ることをおすすめします。散策後はウィニペグの最高の料理やコーヒーをお楽しみください。
グラフィティ・アレイ(トロント)
アートのためのアート
トロントを代表するグラフィティ(壁画)のメッカといえば、グラフィティ・アレイ。北米でここに匹敵するストリートはないと言われるほどユニークな路地です。トロント情報を提供してくれた友人によれば、トロントのストリート・アーティストたちの才能にはいつも驚かされるとのこと。路地に入ったとたん、息を呑むような光景。路地自体がパブリック・アート・ギャラリーになっていて、訪れた人々はアートにくぎ付けの様子。雨の日も人気は変わらず、むしろ水たまりに映ったアート作品の美しさがいっそう魅力的に見えます。
バンクーバー・ビエンナーレ(バンクーバー)
神出鬼没のアートの楽しみ
非営利団体バンクーバー・ビエンナーレによるアート作品誘致活動のおかげで、バンクーバーの至るところで数々の屋外アートを目にするようになりました。市内のあちらこちらでさまざまな彫刻に出会います。年間を通して設置されているアート作品以外にも、バンクーバー・ビエンナーレでは、バンクーバーのアートシーンを深く知るためのイベントを開催しています。展示マップ片手にアート作品めぐりに出かけませんか。
クイーン・ストリート・ウエスト・ギャラリー(トロント)
本格的で型破り
おしゃれな街(といってもとびきりおしゃれというわけではない)クイーン・ストリート・ウエスト。この周辺にも魅力的なギャラリーがたくさんあります。実際、地元のデザイナーやアーティストの間で、世界トップクラスの本格的なアートの街クイーン・ストリートが彼らの活動拠点とされているのもうなずけます。
盛り上がりを見せるカナダのアートシーンは各地で注目の的。美しい景色で定評あるカナダに、カナダの独創性豊かなアートという新たな魅力が加わり、ますます見どころが増えています。ギャラリーやパブリック・アート・アベニュー、ビューポイントを巡りながら、カナダのアートを楽しみませんか。