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カナダを徹底的に楽しむための旅行プランづくり

Moraine Lake, Banff National Park, Alberta - credit: Johan Lolos

カナダを徹底的に楽しむための旅行プランづくり

充実した旅は確かなプランづくりから

グロス・モーン国立公園で楽しむスキー – credit: Gros Morne Adventures
グロス・モーン国立公園で楽しむスキー – credit: Gros Morne Adventures

冬は雪山に広がる手つかずの新雪を滑る醍醐味、夏はみずみずしく生い茂った緑の中でキャンプと、夢は広がります。カナダは息を呑むような景観美と気まぐれな天気、野生動物、険しい地形が混在しています。旅のプランづくりは実に楽しいもの。大がかりな旅でも手軽な旅でも、どのようなアドベンチャーであれ、プランは欠かせません。装備や持ち物のチェック、ルートの確認、天候や地形の事前調査があれば、責任感のあるハイキングやサイクリング、スキー、旅行を楽しめます。

  • アウトドアに出かけるときは、まずルートを計画し、天気予報を確認し、条件・状況を把握して、旅のプランを完璧にしておくことが大切です。旅の準備のヒントについては、AdventureSmart外部リンクタイトルe(アドベンチャースマート)というサイトが参考になります。
  • 冬は、これから挑むアドベンチャーに対してメンバー全員が十分な知識とスキルを備え、能力の限界を超えていないかどうか確認しましょう。最新の情報については、アバランチ・カナダ外部リンクタイトルeをご覧ください。
  • 夏であっても天候には十分注意してください。高地へのハイキングに出発する場合は特に注意を怠らないようにしてください。スリリングなバックカントリーの旅は準備をちょっと手厚くするだけで、思い出に残るアドベンチャーになります。
  • 現地ツアーは実績のあるガイド業者に予約し、専門家から責任ある旅のあり方を学んでおきましょう。
  • トレイルの状態や経緯に関する情報を入手し、わかりやすい目印などを見つけておくためには、国立公園管理局のウェブサイト外部リンクタイトルeが参考になります。

アウトドアを上手に楽しむ

カナダの公園でのハイキングで出たゴミは持ち帰るのがマナー – credit: Kathmandu
カナダの公園でのハイキングで出たゴミは持ち帰るのがマナー – credit: Kathmandu

信じられないほど広大なカナダのアウトドア環境。その貴重な環境を守るには、責任ある旅のあり方が求められます。旅を精一杯楽しむと同時に、この素晴らしい自然が後世にも受け継がれ、楽しまれるようにみんなで協力していきましょう。

  • 泊りがけのハイキングに出かけるときも、ドライブ旅行の道すがらどこかに立ち寄って景色を楽しむときも、「立つ鳥跡を濁さず」のことわざどおり、「余計な痕跡を残さない」原則の遵守をお忘れなく。持ってきたものはすべて持ち帰り、石や貝殻など自然界のものを持ち帰らず、写真を撮るだけにとどめ、今後利用する人々のためにも配慮する姿勢が大切です。
  • 旅の感動は写真に収め、大切な思い出づくりに生かす一方、規制事項にも配慮しましょう。国立公園管理局の管理区域はレクリエーション目的での「ドローン禁止区域」です。
  • トレッキングに出発する前に目的地を調査し、季節ごとの火気使用禁止規則、現地規則、対象地域訪問に必要な許可証や通行証(国立公園の入園許可など)の有無を確認しておきましょう。

土地に敬意を持った旅で伝統の味との出会い

BC州オソヨスの先住民ツアー
BC州オソヨスの先住民ツアー

カナダは、はるか昔からこの国を故郷と呼ぶさまざまな人々や文化の多様性があります。先住民社会は700以上ありますが、メイティ、イヌイット、そしてそれ以外の先住民インディアン(ファーストネーションズ)の3つに大きく分けられます。こうした先住民が集まり、豊かな歴史と伝統を何千年にもわたって築きあげてきました。さらにカナダ全土でも、沿岸部のアカディア人に始まり、世界で最も多様性あふれる都市トロントのさまざまな集団に至るまで、遠方から移り住んだ人々がそれぞれの豊かな文化を節度ある形で新しい土地にもたらし、その結果として多国籍料理や素晴らしい遺産、折衷型の体験につながっているのです。

  • ベテランガイドの案内で伝統的な土地を訪ね、古くからの伝承に耳を傾け、インタラクティブ文化体験を味わってみましょう。
  • 伝統文化に根ざした儀式・催しや、腕利き職人が生み出す独自の工芸品との出会いもあります。
  • 先住民の所有・経営によるリゾート外部リンクタイトルeに宿泊し、本物の先住民文化を体験すれば、彼らの視点や古くから伝わる知識を通して野生動物や自然を理解するきっかけになります。
  • 先住民のコミュニティを訪問する際は、現地の規則を尊重し、必要なものは事前に用意しておきましょう。こうすることで、現地の資源に不必要な負担を与えずに済みます。
  • 先住民文化の体験については、先住民観光の情報源「Destination Indigenous外部リンクタイトルe 」をご覧ください。

旅先の土地を愛し、地域社会の支援を

サスカチュワン州の9マイル・ブリューイング・カンパニーのビールを味わう – credit: Tourism Saskatchewan/Carey Shaw
サスカチュワン州の9マイル・ブリューイング・カンパニーのビールを味わう – credit: Tourism Saskatchewan/Carey Shaw

地元の食を楽しみ、ハンドメイドのおみやげを選ぶこと。それだけでも初めて訪れた土地を歩いたり、お気に入りの土地の新たな魅力に気づくきっかけになります。先住民共同体が所有するレストランやツアー企画などを利用する旅行プランを立てれば、その地域貢献効果はさらに高まります。訪問先の地域活性につながり、意欲あふれる起業家やオーナーとのふれあいも素敵な思い出になることでしょう。

  • 地元に根ざしたカフェやレストラン、ブリュワリー、ワイナリーではとれたての新鮮食材を使った料理が味わえます。各地域の特産品や多様な料理には、カナダを構成するさまざまな人々や文化、土地の個性が反映されています。
  • 小さなギャラリーやマーケットでは、地元のアーティストや職人がその場で作品を展示・販売していることがあり、直接彼らの作品やストーリーとふれあうチャンスがあります。
  • 予約前にツアー会社をチェックして、自分の価値観と相性がいいか、サステナビリティや倫理規範を意識したビジネスをしているかどうかを調べておけば、その旅が地元応援になるかどうか判断できます。
  • ボランティア旅行を検討しているなら、「The Great Canadian Shore Clean Up外部リンクタイトルe」や「WWOOF外部リンクタイトルe(World Wide Opportunities On Organic Farms)」がおすすめ。こちらでは各地域への社会貢献活動の支援、旅先での調査プロジェクトのサポートなどの窓口になっています。

野生動物観察を通じて未来を守る

ニューファンドランド&ラブラドール州キルポン島の巨大なクジラ – credit: Finn Beales
ニューファンドランド&ラブラドール州キルポン島の巨大なクジラ – credit: Finn Beales

グレートベア・レインフォレストで伝説のスピリットベア(精霊のクマ)を見つけたり、ニューファンドランドの沿岸でのホエール・ウォッチングに歓声をあげたり。こうした野生動物との感動の出会いは、忘れられない旅の思い出になります。とはいえ、動物たちは、人間を喜ばせるために存在しているわけではない点を忘れてはいけません。シャッターチャンスを逃さないためにカメラを構えつつも、責任ある野生動物ウォッチャーとしての立場もわきまえて行動することが大切です。

  • 自然の中の生息地で野生動物を尊重した出会いを求めるのであれば、経験豊富なツアー会社が主催するしっかりとした内容のツアーを利用することが重要です。動物保護に熱心で、参加者にも動物にも安全で快適な体験を保証しているツアー会社を選びましょう。保護活動への募金を集めている会社もあります。
  • 訪問先の土地に生息する野生動物について事前に調べておきましょう。例えばクマに対する理解を深めるなど、あらかじめ注意事項をしっかり頭に入れておくとこが大切です。
  • キャンプやハイキングで出たゴミはすべて自宅に持ち帰り、野生動物への餌付けなどは厳に慎みましょう(意図的な餌付けだけでなく、食料をうっかり食べられてしまうこともないように)。
  • 見映えのいい写真を撮るために動物に必要以上に近づいたり、追いかけたり外部リンクタイトルeしてはいけません。安全な距離を保って写真を撮れば、現地訪問による生息環境への負荷を最小限に抑え、動物たちへのストレスも抑制できます。

新型コロナウイルス(COVID-19)を踏まえた分別ある行動を

BC州ペンティクトンのスリー・シスターズでワインのテイスティング - Credit: Destination BC / @vancouverfoodie
BC州ペンティクトンのスリー・シスターズでワインのテイスティング - Credit: Destination BC / @vancouverfoodie

新型コロナウイルス感染拡大の中、旅のあり方がいつもとは少し違いますが、それでも旅を楽しむ方法はたくさんあります。事前に計画をしっかり立て、移動制限や訪問先の規則・手続きを確認しておくと想定外の事態を回避でき、安心して旅を楽しむことができます。

  • ほとんどの美術館・博物館、ギャラリー、ツアーは営業しており、時間指定制で事前予約が可能です。
  • カナダの広大な大地を満喫するなら、ノバ・スコシア州ケープ・ブレトン島の美しい海辺を走るカボット・トレイル外部リンクタイトルeなど、自分のペースで各地を巡るドライブ旅行もいいアイデアです。
  • 立ち寄り先を絞って、1カ所ごとの時間を増やしたり、少人数グループで行動したりすることで、観光のペースを落とせば感染リスクも最小限に抑えられます。
  • 旅行中の安全を確保するためにも、ハンドサニタイザー(消毒液)やマスクをお忘れなく。

 

カナダの人里離れた地域を訪ねるときも、賑やかな都心を出て日帰り旅行に出かけるときも、ここに挙げたヒントを参考にすれば、カナダ旅行を存分に楽しむことが可能です。