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真冬の豊漁「アイスフィッシング」

真冬の豊漁「アイスフィッシング」

アイスフィッシングとは、凍った湖面に2カ所の穴をあけ、穴と穴の間に網をわたしておくと魚が勝手にひっかかってくれるという先住民が生み出した漁法です。現在カナダで行われているアイスフィッシングもほとんど同じやり方。先住民の知恵をお借りして漁を行っています。

先住民は一体どうやって凍った湖面の下に網を通し、遠く離れたもう1つの穴まで網を到達させたのでしょう。「デネ族」は、アイスジガー(Ice jigger)と呼ばれる道具を考え出しました。2枚のスキー板がくっついたようなジガーの真ん中には、爪のような金具が上向きに付けられたもう1つの板があります。このジガーを氷に開けた穴から水中に押し込み、結びつけたひもを引っ張ると真ん中の板がシーソーのように上下して金具が湖面の下側に引っ掛かります。これを推進力に、ジガーは氷の下を離れた穴へとゆっくりと進んでいくのです。

網を取り付けたジガーを水中に押し込むために、小さなエンジンが付いたドリルのような機械で湖面に2カ所の穴を開けますが、網を仕掛けてから引き揚げるまでに穴は凍って塞がってしまうため、網を引き上げるためには再び穴を開けることになります。網を引き上げるとホワイトフィッシュ(Lake Whitefish)、ピッカレル(Pickerel)、パイク(Northern Pike)などの魚が次々に現れます 。網から外され湖面に放り投げられると魚はすぐに急速に冷やされるので、魚の鮮度は抜群なのです。