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ジェニ・レサード:広大な大地を舞台にした先住民料理に腕を振るトップシェフ

ジェニ・レサード:広大な大地を舞台にした先住民料理に腕を振るトップシェフ

カナダの次代を担うトップ先住民シェフの1人に選ばれたシェフのジェニ・レサード。2019年にワヌスケウィンの新しいエグゼクティブシェフとして就任。ワヌスケウィン史跡公園は、4000万ドルのリニューアル工事を終えて2020年9月に再オープン。現在は先住民食のアドバイザーを務めています。夜空の下で先住民料理を楽しむイベント、Han Wi Dinner も手掛けています。(Han Wiとはダコタ語で夜の太陽を意味する)
 

サスカチュワン州プリンス・アルバート出身のレサードは、メイティ(先住民とヨーロッパ人の間に生まれた子孫)の1人。4歳のときのハロウィーンで、初めてシェフのユニフォームで仮装を楽しんだというのも何かの縁でしょう。小さな鉄のフライパンを片手にパンケーキをひっくり返しながら「トリック・オア・トリート」と叫んで近所を回っていたとか。「おいしい料理でみんなをハッピーにできるってことに気づきました」子供のころから、自分の料理をみんなに食べてもらいたい、みんなを幸せにしたいと思っていたんです」とレサードは振り返ります。

厨房では、彼女の言う「フィールドからシールドまで」(大草原から楯状地まで)をテーマにカナダの広大な大地を舞台にした先住民料理に腕を振るいます。シェフのシグニチャー・レシピのレッド・リバー・シナモン・バンズ。「サスカチュワン州バーチ・ヒルズという小さな町で、初めて自分のレストラン、ニュー・グランド・カフェをオープンさせたときに、このレシピを思いついたんです。レッド・リバー・コロニーで暮らした一族の末裔として、メイティの伝統に私なりの敬意を表したもので、淹れすぎて余ったコーヒーを有効活用しました。フェアトレードのコーヒーを提供していたので、1滴たりとも無駄にしたくなかったんです」