カナダを徒歩で旅する醍醐味といえば、小さな発見や驚きではないでしょうか。ほんの小さな出来事に驚き、心を奪われる瞬間。しかも、激しく変わる天候の前では、何もかもが小さいことを実感するとともに、繊細な存在感を覚えるはず。
ニューファンドランド&ラブラドール州のボナビスタ半島で徒歩旅行中に突然のもやで、やむなく一休み。その断崖の端から見えてきたのは、100メートルはあろうかという眼下に激しく渦巻くターコイズブルーの海。そこに、獲物を見つけたのか、タイミングよく海面に飛び込むパフィンの姿。
極上の自然美と広大な原生地域に恵まれたカナダには、文字どおり何千もの徒歩旅行コースがあります。もちろん、自分で道を切り開く旅も大きな醍醐味の1つですが、ここではおすすめのコースをご紹介します。歩きやすいハイキングシューズを用意したら、さっそく出発!
コロンビア大氷原の氷河アドベンチャーとスカイウォーク
カナディアン・ロッキーに広がるアルバータ州のコロンビア大氷原は、世界のベストルートに数えられます。とはいえ、先史時代から氷に包まれた壮大な頂を間近で見たい衝動は抑えられないはず。でもご安心を。ガイド付きのさまざまな氷河ウォークツアーが企画されています。絶景ファンには、グレイシャー・スカイウォークがおすすめです。高さ280メートルの断崖から張り出した展望回廊で、床面はガラス張り。サンワプタ渓谷を眼下に見下ろすことができます。さらに3つの大海に流れ込む氷河の雪解け水を味わうこともできます。水筒をお忘れなく。
アルゴンキン州立公園
手つかずの大自然の中で究極の休暇を楽しめるアルゴンキン州立公園。トロントからもほど近いアクセスが魅力です。ハイキング、カヌー、カヌーの陸路運搬を組み合わせ、7000平方メートルに及ぶオンタリオ州のメープルの森や小さな島々をめぐる旅。この地に生息するアオサギやムース、ビーバーとの出会いも楽しめます。ボヤジャー・クエストでは、エキスパートのガイドの派遣や26フィートのボヤジャー・カヌーのレンタルを受け付けています。
ケベック州のツアーやハイキング
まずはケベック州を代表する魅力あふれる地域、イースタン・タウンシップスを車で周遊後、徒歩に切り替えて、気になるエリアの 寄り道の旅へ。せっかくなら全長132キロに及ぶワイン街道でぶどう園やテイスティングを楽しみ、さらに州内屈指の美しい7つの村めぐりも組み合わせてみては。また、ケベック州南部の最高峰を望むトレッキングもおすすめです。
アイスバーグ・アレー(氷山の通り道)
ニューファンドランド&ラブラドール州では、ハイキング・トレイルを歩きながら、日常的に巨大な氷山やクジラの潮吹きに出会えるのが醍醐味。どちらも必見です。迫力ある音も聞き逃さないように。おすすめのハイキング地域には、グロスモーン国立公園、トーンガット山脈国立公園があります。
ユーコン準州の手つかずの大自然
ハイキングにリバー・ラフティングを組み合わせてみませんか。全長100キロに及ぶ広大な氷原、そびえ立つ連峰、圧巻の渓谷など、世界最大のユネスコ世界自然遺産地区が、クルアニ国立公園(ユーコン準州)、タットシェンシーニ・アルセック州立公園(ブリティッシュ・コロンビア州)、グレイシャーベイ国立公園(米国アラスカ州)という国境を越えた3つの公園にまたがって広がっています。
ブリティッシュ・コロンビア州で楽しむヘリ・ハイキング・アドベンチャー
ニモ・ベイ・ウィルダネス・リゾートに優雅なベースキャンプを構え、ここからブリティッシュ・コロンビア州にある9000平方キロのグレートベア・レインフォレストをめざしてハイキングに出発。実はこの旅、専用ヘリコプターのシャトルサービスが利用できるのです。さらに、カヤック、遊覧飛行、フライフィッシングといったアクティビティもあり、のんびりとくつろぎのひとときを過ごせます。
アサバスカ砂丘
サスカチュワン州アサバスカ砂丘州立公園では、カナダ最大級の湖の湖畔でハイキングやカヌーが楽しめます。砂丘は高さ30メートル、総延長は100キロをゆうに超えます。チャーチル・リバー・カヌー・アウトフィッターズでは、水上飛行機の輸送サービスを提供するほか、北極圏に近い地域で砂漠のような景観が楽しめるウィリアム川でカヌー体験も受け付けています。
ボヤジャーの足跡を訪ねて
マニトバ州のエイキンズ・レイク・ウィルダネス・ロッジと、ボヤジャーと呼ばれる毛皮商人たちが行き交ったいにしえの道。水上飛行機でアクセスできるマニトバ州のエイキンズ・レイク・ウィルダネス・ロッジ。ここを拠点に、かつて毛皮商人たちが行き交った輸送路を歩く歴史の旅へ。古代の象形文字やクマ、ムース、カリブー、ビーバー、マスクラット(ネズミの1種)などの姿に出会えるかも。