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The Story of CANADA モリーン・ライリー

The Story of CANADA
1

モリーン・ライリー

Maureen Riley

カナダ観光局 国際担当副社長

モリーン・ライリー

The Story of CANADA

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モリーン・ライリー

Maureen Riley

カナダ観光局 国際担当副社長

カナダのフランス語圏モントリオール生まれ。幼少期からカナダのさまざまな場所に住んだ経験を持つライリー氏は、圧倒的なスケールを誇る大自然と、そこに暮らす人々の多様性ある文化こそがカナダの魅力であると、自らが体現者となり、その魅力を世界に向けて発信している。

旅への情熱、挑戦、つながり

「私は旅行と冒険好きの家族の中で育ち、そのおかげで世界中を旅する機会にも恵まれました。生まれはモントリオールで、プリンス·エドワード島や北極圏、オンタリオ、アルバータ、ブリティッシュ·コロンビアの各州など、広大なカナダのいろいろな場所で暮らした経験があり、私は、まさにメイド·イン·カナダなのです」

父はフランス系カナダ人、母は日本人というルーツを持ち合わせ、留学時代は大学生として九州に、その後も高知県で行政関係に従事し、カナダ観光局の日本局長として5年間の東京在住経験もある。そうした経験の数々が、自分自身を新たな環境へ連れ出すことで、発見や挑戦を促してくれたのだという。

「新しい環境に適応するだけでなく、人々との関わりを通して、価値観や冒険心を受け入れ、新しい有意義な体験を愛する家族や友人と共有するために、旅は常に私たちに挑戦や課題を与えてくれるのです」と語るライリー氏は、自らの人生経験を通して、旅への情熱とは つながり*を求める気持ちによって駆り立てられていると話す。「旅先で出会う人と人のつながり、また、旅先で知り、発見する新たな体験とのつながりもある。カナダという広大な国にはそうした機会や場所が無数にあることを、あらためて感じています」

彼女の体験は、実にダイナミックで興味深いものばかりだ。「オーロラの下での犬ゾリ、8つの異なる山脈でハイキングやマウンテンバイク、スキー、北極海の凍てつくような冷たい3つの海峡で泳いだこともあります。鉄道で1万キロ、オートバイで8000キロを走り、グリズリーやホッキョクグマ、さまざまな種類のクジラ、アザラシ、ヘラジカ、クーガーなど、多くの動物に出会い、100以上の湖でカヤックやカヌーを漕ぎ、30以上の滝の近くでキャンプをしました。20を超える国立公園を訪れました。そして、何よりも重要なことは、世界中の文化圏からカナダを訪れる人々や、地元の先住民族と出会う機会があったことです。私は、これらすべてのことを、カナダで実現したのです」

私のお気に入り

観光業に携わる立場上、カナダで一番おすすめの場所は、お気に入りの思い出や経験は何か、という質問をよく受けることが多いそうだが、これだけたくさんあると、どうやってーつだけ選べばいいのか分かりません、と苦笑する。「私がカナダで最も好きなことは、間違いなくその美しい大自然の風景です。風光明媚な海岸線、雄大な山々、広大な大草原、絵のように美しい森など、カナダには素晴らしい風景があります。東西に6000km、北極園から世界有数のピーチや海岸線が広がる太平洋と大西洋に面し、国内に点在する国立公園や自然保護区には驚くほど多様な自然景観と生態が広がります」

カナダの極北は、オーロラを観るのに世界で最も適した場所である。とくに8月から4月にかけて、北極園内では晴れた夜に美しいオーロラが天空を舞う姿を観察することができる。光の強さや色、形はその時々で異なり、オーロラカーテンという表現や、オーロラが爆発した、という表現を使うほど、その神秘的な光と色彩は、しばし時が止まったかのように心を奪われることだろう。「カナダ北部はオーロラだけでなく、カナダの素晴らしさをすべて兼ね備えているのです。手つかずの自然が残る国立公園には広大な山岳地帯、多種多様な野生動物など、人々が暮らすコミュニティーが点在する特別な場所です」と、訪れた人は必ず魅了されるといわれ、ライリー氏も「きっと、後悔はさせません」とはなす。

カナダは世界で最も  
フレンドリーな国の一つ

「カナダ人は、自国に誇りと愛着を持ち、この国を訪れる旅人に優しく、また熱心に迎え入れてくれるでしょう。もし道に迷ったら、地元の人に道を聞けば、喜んで道を教えてくれるはずです。ケベック州のようにフランス語が主要言語の州でも、あなたは両手を広げて歓迎されることでしょう」

カナダのどの地域を訪れても、この国の広大な自然と同じように、過去の歴史と文化を凝縮した寛大でやさしさに満ちた人々、文化、地域社会を目にすることができる。その一つに、カナダには豊かな先住民族の文化があげられる。

「ファースト·ネイションズは、カナダ最大の先住民族で、もともとこの大地に暮らしていた人々で、カナダ全土でファースト·ネイションズの体験や文化に触れることができます。一方、メティス族は、ヨーロッパ人とファースト·ネイションズとの多文化交流から生まれた民族で、ヨーロッパから入植した民族を合わせたこれらの3つのグループは、言語、文化、歴史など、それぞれ固有な民族です。加えて近代では移民を受け入れてきたカナダは、世界的にも有数な多民族国家なのです」

カナダが教えてくれること

文化や伝統、民族の壁を越え、お互いが尊重し、支え合うという社会や人の暮らしがこの国の土壌にあるのは、雄大な大白然に向き合う人の暮らしと野生動物が暮らす環境や生態が守られていることと似ているのかもしれない。お互いを尊重するという心、大切なものを守るという気持ちを共有できることは、カナダの人が最も誇りにしていることなのだろう。「カナダという名前は、ヒューロン·イロコイ族の言葉で「村」を意味する「KANATA=カナタ」に由来しています、人が集まるところ、という意味です」とライリー氏はほぼえむ。

「せっかくなので、私の好きなカナダ体験を紹介しましょう - 私はユーコン準州の原野で数日間過ごす機会を得ました。私たちのホストファミリーは先住民族Southern Tutchone First Nationsの長老ジェームズ·アランさんでした。彼の民族は太古の昔からユーコンに住んでおり、彼はたくさんの物語や伝説を持っていて、それが彼の人生をかたち作ってきました。オーロラにはたくさんの伝説があり、彼らはオーロラの光は亡くなった祖先からのメッセージだと考えています。彼らは霊界で踊り、そこで幸せであることを知らせてくれるのです滞在最後の夜、夜空を見上げるとオーロラの光が舞っていました。その時、私は先祖を一人にしてはいけないと思い、美しく燃える空の下で、私の体は自然に踊りはじめたのです。ご先祖様に、私はここで幸せに暮らしているのだと伝えるために -- 」

カナダを訪れる目的はいろいろとあるだろう。この国の持つ広大さや優しさには、大自然と多民族社会に暮らす人々、先住民族、野生動物など、すべてが共存していくための普遍的かつ深いつながりが宿っている。

“カナダの、その奥へー。”

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