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アトランティック・カナダ ユネスコ回廊

カナダの3つの大西洋沿岸州、ニュー・ブランズウィック州、ノバ・スコシア州、ニューファンドランド&ラブラドール州には、ユネスコ(UNESCO)が指定する13の史跡(7つの世界遺産、3つの世界ジオパーク、3つのエコパーク)があり、それぞれが地域の誇りとなり、独特な景観、豊かな歴史や文化を有する、多彩なネットワーク「アトランティック・カナダ ユネスコ回廊」を形成しています。

このユネスコ回廊は、カナダ・ユネスコ委員会、ファンディ・エコパーク、ニュー・ブランズウィック州、ノバ・スコシア州、ニューファンドランド&ラブラドール州、パークスカナダ(カナダ公園管理局)が協力しあい、ユネスコの優先事項に沿った、再生可能で体験型、本物志向のアプローチによる観光の革新を促進しています。

UNESCO World Heritage Site

ユネスコ世界遺産

1972年にユネスコ総会で採択された世界遺産条約に基づいた「世界遺産リスト」に記載された「顕著な普遍的価値」をもつ建造物や遺跡、景観、自然。建造物や遺跡などの「文化遺産」、自然地域などの「自然遺産」、文化と自然の両方の要素を兼ね備えた「複合遺産」の3種類があります。

1972年にユネスコ総会で採択された世界遺産条約に基づいた「世界遺産リスト」に記載された「顕著な普遍的価値」をもつ建造物や遺跡、景観、自然。建造物や遺跡などの「文化遺産」、自然地域などの「自然遺産」、文化と自然の両方の要素を兼ね備えた「複合遺産」の3種類があります。

ランス・オ・メドー国定史跡 ランス・オ・メドー国定史跡

ランス・オ・メドー国定史跡(文化遺産・1978年登録)

L'Anse aux Meadows National Historic Site

ニューファンドランド島最北端にある考古遺跡。西暦1000年頃に北欧バイキングが上陸し、生活されたとされる集落地では、実際に船作りに使用された製材所や溶鉱炉の跡、多くの生活道具が発見されています。この遺跡の発見により、コロンブスの新大陸発見以前にヨーロッパ人が訪れていたことが証明されました。遺跡の近くには、当時の住居や船などを復元したバイキング村があり、バイキングの生活の様子を知ることができます。

グロス・モーン国立公園

グロス・モーン国立公園(自然遺産・1987年登録)

Gros Morne National Park

ニューファンドランド島の西部に位置する数億年の地殻変動の様子を伝える国立公園。グロスモーンとは「偉大なる絶壁」の意味。氷河によって削られた断崖やフィヨルドなど自然の造形美が連なります。プレート・テクトニクスによる大陸の形成過程やカンブリア紀の大陸移動で生じた岩の層など、何億年もの地殻変動を伝える地質学的な重要性から、1987年に世界自然遺産に登録されました。

ルーネンバーグ旧市街

ルーネンバーグ旧市街(文化遺産・1995年登録)

Old Town Lunenburg

北米で現存する最も良く計画されたイギリス統治時代の植民都市の区画を残す町。格子状に作られた街並みには、今でも港でスクーナー船を見たり、鍛冶屋の金槌の音を聞くことができます。絵本のように美しい街を歩きながら、色とりどりのペンキで塗られた歴史的家屋の中に調和した地元のコミュニティに触れてみましょう。

ジョギンズ化石断崖

ジョギンズ化石断崖(自然遺産・2008年登録)

Joggins Fossil Cliffs

15キロも続く断崖に、およそ3億年前のものとも言われる、石炭紀の岩石が露出しており、世界で最も完全な化石の記録を残す場所。ファンディ湾の潮の満ち引きによる絶え間ない浸食は、このエリアで1日2回、最大13メートルも干満し、常に新しい化石が見つかる可能性があります。専門家によるガイドツアーでその歴史に触れてみましょう。

グラン=プレの景観

グラン・プレの景観(文化遺産・1995年登録)

Grand-Pré National Historic Site

グラン・プレとは、フランス語で「大牧草地」という意味。ここは、もともと塩分が多く含まれた干潟でしたが、フランスからの入植者(アカディアン)は、創意工夫をこらし、独自の干拓技術を駆使して、広大で肥沃な農地へと転換してきたのです。この美しい草原の風景は、2012年に世界文化遺産に登録されました。

レッドベイのバスク人捕鯨基地

レッドベイのバスク人捕鯨基地(文化遺産・2013年登録)

Red Bay Basque Whaling Station

16世紀にスペイン少数民族のバスク人によって捕鯨活動が行われていた場所。ラブラドール地方の沿岸部のこの地には、製油装置や桶といった遺物や、波止場や墓地などの遺構が残されています。また、陸上の遺跡のほか、海底には当時の捕鯨方法や造船技術を伝える沈没船があり、水中文化遺産として歴史的に重要な場所となっています。

ミステイクン・ポイント

ミステイクン・ポイント(自然遺産・2016年登録)

Mistaken Point

ニューファンドランド島アバロン半島東南端に位置するミステイクン・ポイントは、全長17キロの断崖の生態系保護区。約6億年前に棲息していた地球最初期の多細胞生物群であるエディアカラ生物群は骨格や殻を持っていない生物であるために化石として残りづらいが、世界最古の豊富で多様な大型化石の集合体がきわめて良い状態で保存されています。

Global Geo Parks

ユネスコ世界ジオパーク

国際的な地質学的価値を有し、それらの地質遺産が自然環境や地域の文化への理解を深め、自然と人間との共生及び持続可能な開発を実現することを目的に管理されている地域です。

国際的な地質学的価値を有し、それらの地質遺産が自然環境や地域の文化への理解を深め、自然と人間との共生及び持続可能な開発を実現することを目的に管理されている地域です。

ストーンハンマー世界ジオパーク ストーンハンマー世界ジオパーク

ストーンハンマー世界ジオパーク(2010年登録)

Stonehammer UNESCO Global Geopark

ニュー・ブランズウィック州南部の2,500キロにわたる地域にさまざまなジオサイトが点在しており、10億年前の地質学的歴史が残っています。2010年に世界ジオパークとして指定され、大陸の衝突、海洋の閉鎖と開放、火山、地震、氷河によって形成された景観、それぞれにストーリーがあり、張り巡らされたトレイルを巡ることで、この地の奥深い歴史と自然に触れることができます。

ディスカバリー世界ジオパーク

ディスカバリー世界ジオパーク(2020年登録)

Discovery UNESCO Global Geopark

ボナヴィスタ半島にあるディスカバリー・グローバル・ジオパークは、最も新しいユネスコ・グローバル・ジオパークのひとつですが、その形成には5億年もの歳月がかかっています。10のジオサイトでは、5億6千万年前の化石から劇的な海食柱、繊細な曲線を描く海食洞まで、さまざまなものを目にすることができます。パフィンを間近で見ることができる場所も。

クリフス・オブ・ファンディ・ジオパーク

ファンディ・クリフ世界ジオパーク(2020年登録)

Cliffs of Fundy UNESCO Global Geopark

ノバ・スコシア州、ロウアー・トルロからアップルリバーまで、ファンディ湾に沿った165キロのドライブコースに40以上の印象的なジオサイトがあり、世界一の潮位差を誇るファンディ湾の素晴らしい海岸線を旅することができます。このエリアには様々なハイキングコースもあり、超大陸パンゲアの形成・分裂の歴史、ファイブ・アイランドなどの壮大な島の景観、海食柱など、地球の驚くべき自然史や、この地に伝わる伝説に触れることができます。

Biosphere Regions

ユネスコエコパーク

ユネスコが実施する人間と生物圏(MAB: Man and Biosphere)計画に基づき指定する、豊かな生態系を有し、地域の自然資源を活用した持続可能な経済活動を進める地域です。

ユネスコが実施する人間と生物圏(MAB: Man and Biosphere)計画に基づき指定する、豊かな生態系を有し、地域の自然資源を活用した持続可能な経済活動を進める地域です。

南西ノバ・エコパーク 南西ノバ・エコパーク

南西ノバエコパーク(2001年登録)

Southwest Nova Biosphere Reserve

ノバ・スコシア州の半島部分の南西部に位置する南西ノバエコパークは、北岸が世界で最も潮の満ち引きが激しいことで知られるファンディ湾に面し、東は北大西洋に面しています。この地域の陸地の大部分は、人口約10万人のアンナポリス、ディグビー、クイーンズ、シェルバーン、ヤーマスの5つの郡からなる生物圏保護区「zone of cooperation」に指定されています。先住民ミクマク族が生活や移動、交易のために土地や水域を利用してきた歴史から、今も息づく豊かなアカディアン文化まで感じることができます。また、特別な自然環境を残す地域でもあり、この地域特有の種には、ヘラジカ、マス、ワシなどの代表的な種のほか、ムササビやカメなど絶滅危惧種も含まれています。

ファンディ・エコパーク

ファンディエコパーク(2007年登録)

Fundy Biosphere Region

ファンディエコパークには、ファンディ湾北部の海岸沿い、モンクトンからからセント・マーティンズまでの4,420平方キロメートル以上の地域を含んでいます。世界一の潮位を誇るファンディ湾のアイコン的景勝地ホープウェルロックス やエンレージ岬、潮の逆流現象「タイダルボア」など、独特の美しい景観を楽しむことができます。この美しい土地は、先住民ミクマク族、ウォラストキ族、パサマホディ族の伝統的な領土です。

ブラスドール湖エコパーク

ブラスドール湖エコパーク(2011年登録)

Bras d’Or Lake Biosphere

ケープ・ブレトン島の中心部に位置し、淡水と海水が混ざり合うユニークな環境を有するブラスドール湖エコパークは、堂々とした白頭ワシから好奇心旺盛なハイイロアザラシまで、さまざまな野生生物を観察できる絶好の場所。この地域の多様性は水辺だけでなく、広大な流域には、先住民ミクマク族や初期のフランス人、スコットランド人、イギリス人入植者の子孫が暮らしています。