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人・自然とつながる、大平原のウェルネス旅

An aerial view of Indigenous leaders at Wanuskewin heritage park

人・自然とつながる、大平原のウェルネス旅

人・自然とつながる、大平原のウェルネス旅

「歴史と最先端」が交差する若き都市サスカトゥーンと、先住民の「癒しの湖」リトル・マニトゥ・レイクを訪ねる5日間の旅。
カナダ中部の平原地帯(プレーリー)に位置するサスカチュワン州。広大な大地は、国内最大の農業地帯であるとともに先住民の伝統と文化を継承しています。太古の昔から自然と共生してきた先住民の知恵にならって、自然の恵みに感謝しながら極上の食と癒しを体験。感動的な景色の中で味わうモダン先住民料理、プレーリーの大地で育まれる新鮮な食材を使ったコンテンポラリー・キュイジーヌ。どこまでも続く大平原と大空に抱かれて暮らす地元の農家や生産者の物語に耳を傾け、神秘的な塩水湖の浮力に身を任せながら先人たちの暮らしに思いを馳せます。

1日目

旅の出発地はサスカチュワン州最大の都市サスカトゥーン。住民の平均年齢36歳という若き都市でありながら、カナダに人類が現れたことを示す最古の痕跡も残されています。先住民の歴史からモダンアート、プレーリーの大地で育まれる新鮮な食材を使ったコンテンポラリー・キュイジーヌ、何キロにも渡って続くリバーサイド・トレイル、歴史に彩られた街並み。「新と旧」、「自然と創作物」、「歴史と最先端」、「やさしさと不屈の精神」といった対比がサスカトゥーンの個性を引き立てています。

サウス・サスカトゥーン・リバー周辺の今注目のショップが集まるダウン・タウン・エリアを徒歩で巡ってみましょう。この街をこよなく愛する、笑顔の素敵な店主と出会えるかも。街をのんびりと散策したら、地元の新鮮な食材を使い洗練された料理を、親しみやすく、ホスピタリティにあふれる雰囲の中で味わってみましょう。

The sun rises over the water in Saskatoon

TSUNAGARIポイント

参考資料:まちあるき『サスカトゥーン』MAP外部リンクタイトルe

※2021年6月現在の情報につき、内容が変更になっている場合があります

Saskatoon's Broadway district

ブロードウェイ地区

ダウンタウンから数分のところにあるブロードウェイ地区は、カルチャー、コミュニティ、商業が融合したエリアです。地元のショップや食、エンターテインメントを大切にするブロードウェイでは、いわゆるアーバン・ビレッジ(都市部で職住近接のコミュニティづくりをめざしたエリア)の雰囲気を体験できます。路地裏のこだわりカフェ、ベン・コーヒーでコーヒーをテイクアウトしたら、街の散策に出発。あちらこちらにあるアート感覚豊かな壁画を鑑賞したり、ハンドクラフト愛好家が製作したユニークな作品を販売するハンドメイドハウスでおみやげを探したり。軽食なら店名どおりピザとワインに特化したUNAピザ&ワインもおすすめです。こんなふうにブロードウェイには、誰でも楽しめる魅力があります。

Saskatoon's Odla restaurant

オドラ

自家農園直送の新鮮食材を扱うユニークなレストラン&マーケット。親しみやすく、気配りとおもてなしにあふれる雰囲気の中、厳選された味をたっぷり楽しめます。自家農園で採れたての旬の素材を味わいながら、ふだん食べている食材について改めて見直し、五感が刺激されるひとときを。食材が複雑な流通を経てテーブルに届く現代にあって、オドラでは、伝統と素朴さにあふれていた特別な時代にタイムスリップできます。農と季節感を大切にするオドラのメニューは、生産者の視点に立ち、自家農園の旬の食材を中心に構成。豊かな大地の恵みを生かし、地元生産者を支援するとともに、嘘偽りのないメッセージ性あふれるユニークな食を提供することに重点を置いています。

関連動画:オドラとファーム・ワン・フォーティ外部リンクタイトルe

Saskatoon's riversdake neighbourhood

リバーズデール

昔ながらの暮らしを体験したら、少しペースを上げてサスカトゥーンの新しい姿を見てみましょう。めざすは新たな注目地区のリバーズデール。美しいサウスサスカチュワン川のほとり、ダウンタウンの商業地域からもほど近い場所にあるリバーズデールは、サスカトゥーンでも唯一無二の活気にあふれ、今や一大人気スポットです。アートファンならアート探しの街歩きはいかが。街のあちらこちらで壁画を見つけることができます。ショッピング好きには、ハードプレストスタジオ。サスカチュワンをテーマにしたファッションで人気のブティックです。厳選された紙製品が揃ったソウルペーパーもおすすめ。グルメファンには、お洒落なドリフト・サイドウォーク・カフェ外部リンクタイトルe、ビール党なら9マイル・レガシー外部リンクタイトルeで、地元産クラフトビールのセットを楽しみましょう。

Dinner dishes at primal restaurant

プライマル

カナダの穀倉地帯の中心にあるレストラン。シェフのクリスティ・ピーターズとカイル・マイケルが、あらゆる道具を意のままに生かしながら、懐かしささえ感じるイタリアンの定番料理に新たな命を吹き込みます。メニューの中心は、地元産穀物をふんだんに生かした手打ちパスタ。誰にでも楽しめる味わいを考え、厳選されたメニューを揃えています。食材としての動物は一頭まるごと無駄なく使い切る「ホール・アニマル・フィロソフィー」という方針の下、店内加工肉をローテーションして使用。自家農園のとれたて野菜も含め、季節ごとに模様替えするメニューの大事な食材となっています。

Saskatoon's Ayden Kitchen and Bar

エイデン・キッチン&バー

シェフのデール・マッケイとエグゼクティブ・シェフのベネット・ハントが地元産食材を生かしつつ、世界の食にヒントを得て紡ぎ出す安らぎのメニューを提供しています。絶妙な味わいのカクテルやワインとともに、ダークウッドをふんだんに取り入れ、魅力的なアンティーク品が並ぶ店内は、落ち着きのある素敵な雰囲気。本格的な食事でも、仕事帰りのカクテルでも、ナイトキャップでも楽しめます。いつ訪れても、ぬくもりと安らぎを感じさせてくれる空間です。

2日目

2日目は、サスカトゥーンの街を出発、15分ほどの郊外にあるワヌスケウィンへ。「心穏やかな集いの場」を意味する「ワヌスケウィン」では、カナダ屈指の活気あふれる本物の先住民体験ができます。レストランでは、現代風にアレンジした先住民の伝統食をいただくことができます。この聖地を訪れ、多様性あふれる豊かな先住民文化への理解を深め、土地や歴史、さらには自分自身との素晴らしいつながりを体感します。

People seated at outdoor tables, eating and enjoying the sunset over a grassy vista

TSUNAGARIポイント

An aerial view of Indigenous leaders at Wanuskewin heritage park

ワヌスケウィン史跡公園

サスカトゥーンから15分ほどの郊外にあるワヌスケウィン史跡公園では、カナダ屈指の活気あふれる本物の先住民体験ができます。「ワヌスケウィン」という名は、「心穏やかな集いの場」を意味し、実際に何千年にも渡って人々の集いの場として使われてきました。はるか遠い昔、バイソンを追い、食料や薬草を求め、冷たい冬の風から身を守るために、この地にやってきた人々の物語を追体験してみましょう。ワヌスケウィンは、6,400年前の出土品があるカナダ最古の遺跡。実にエジプトのピラミッドよりも歴史があります。ここでは、地元の人々も観光客も一緒になって多様性あふれる豊かな先住民文化への理解を深めています。この聖地を訪れると、土地や歴史、さらには自分自身との素晴らしいつながりを体感します。ワヌスケウィン史跡公園は、ユネスコ世界遺産の暫定リストに記載されています。
関連動画:壮大なリニューアルを経て再オープン!ワヌスケウィン国定史跡外部リンクタイトルe
関連動画:ユネスコ世界遺産とバイソン外部リンクタイトルe

People eating an outdoor dinner at dusk

ワヌスケウィンのHan Wi Dinner

ワヌスケウィン史跡公園では、星空の下、自然の中で採取した食材をモダンな技法で調理した料理を楽しみながら歴史を学ぶHan Wi Dinnerイベントが開かれます。「Han Wi」はダコタ語で「夜中の太陽」の意味。このイベントは、バイソンジャンプ、神聖なティーピーなど、史跡公園について知ることができるガイドウォークから始まります。続いてワヌスケウィンのシェフが出迎え、直火でバノック(先住民のパン)が、サスカトゥーンベリーとミントのペースト、トウヒの新芽のバターを添えて提供されます。食材は、現在ワヌスケウィンで先住民料理の監修を務めるジェニー・レサードが採取。伝統的に使われる野生の食材や、地元で生産された食材、バイソンの肉などが振る舞われます。太陽が地平線の下に沈むにつれて、キャンプファイヤーの周りで、語り部の物語に耳を傾け、歌や太鼓のリズムに心を躍らせます。

関連動画:ワヌスケウィンのHAN WI DINNER外部リンクタイトルe

Two canoes on a lake

ジェニ・レサード:広大な大地を舞台にした先住民料理に腕を振るトップシェフ

Lighthouse with building next to it

先住民の食の語り部

3日目

農業と食のつながりを体感せずして、サスカトゥーンの旅は語れません。3日目は街の中心からほど近く、自然保護区で大自然とのつながりを感じたら、この土地に愛着をもつ生産者を訪ねましょう。自家栽培のリンゴを使いサイダー(シードル)を生産するサイダリー、自社農場で栽培した原料から、スピリッツを生産する蒸留所、倫理的な方法で畜産を行う農場まで。地域の生産者との交流、本物の食体験でお腹も心も満たされるでしょう。都会の真ん中で体感する自然と食のつながりを通して、サステナビリティへの意識が刺激されます。

Diners enjoy a meal in a farmhouse

TSUNAGARIポイント

A bird lands on a woman's hand in a snowy forest

ビーバークリーク保護区

ダウンタウン中心部から車でわずか15分のビーバークリーク保護区。管理の行き届いた生態系には、プレーリーや森、ひっそりとした小川、川の侵食で生まれた谷など、散策や発見の旅にぴったりな4つのネイチャートレイル(自然の小径)があります。ビジターセンターでは、野鳥のアメリカコガラの餌やり体験や年間を通じて定期開催されている解説プログラムに参加できます。

People touring a cider vineyard

クロスマウント・サイダー・カンパニー

サスカトゥーンベリーをはじめ果物はサスカチュワン州にとって重要な産業の1つで、リンゴも生産されます。サスカトゥーンのダウンタウンから車で15分、ビーバークリークからわずか5分ほどのところに、リンゴ園に囲まれた地中海風の庭園があります。美しい施設が自慢のクロスマウント・サイダー・カンパニーではサスカトゥーンの新たな産業の1つをじかに体験できます。クロスマウント・サイダー・カンパニーは、栽培から瓶詰めまですべて自社で手がける正真正銘のサイダリー(サイダー醸造所)です。リンゴ園のガイドツアーの締めくくりは、味わい豊かな「サイダー」(シードル、リンゴ酒)の試飲が待っています。

Tourists tasting straight from the barrel at a distillery

ブラック・フォックス・ファーム&蒸溜所

この場所を訪れると、未体験の農場暮らしへの憧れが生まれます。現在は3代目を中心に家族で経営。一歩足を踏み入れると、農業にかける情熱がひしひしと伝わってきます。まるで我が家に帰ってきたかのような温かさに包まれて、クラフトジンを使ったジントニックを味わいます。原料の90%は地元サスカトゥーンの自社農場で栽培され、すべてのスピリッツ製品が自前で発酵・蒸溜。さまざまな穀物とボタニカル(草根木皮)を原料に、農業への熱い思いを込めて、大地の恵みである自然の味わいを引き出します。蒸溜所ツアー、花摘み、パンプキン・フェスティバルが楽しめるほか、もちろん世界トップクラスのジンも味わえます。ブラック・フォックスでは、オーナー夫妻のバーブとジョンの農場をさまざまな角度から楽しむことができます。

関連動画:ブラック・フォックス・ファーム&蒸溜所外部リンクタイトルe

People exploring a farm with pigs

ファーム・ワン・フォーティ

この農場に来ればサステナビリティに対する意識ががらりと変わります。栄養と癒しをもたらす本物の食を体験し、農場ならではの力強さあふれる風味や新鮮さに、きっと驚きの声を上げるはず。ここには、ベジタリアンではない雑食主義の迷いも倫理的な議論もありません。放牧豚や牧草牛、ラム肉などを味わいながら、この農場独自の農法全体の理解を深めます。到着時にカクテルで歓迎を受けたらすぐに農場ツアーへ。オーナー一家によるサステナブルで環境再生型の農業の解説もあります。その後、農場で採れたての食材を生かしたディナーを、まさに食材を育んだ土地で堪能します。キャンプファイヤーやエンターテインメントを通じて地元の人々との絆を深め、お腹だけでなく、心も満たすひとときを。

関連動画:オドラとファーム・ワン・フォーティ外部リンクタイトルe

4日目

4日目の午前中は、近代・現代アートのミュージアム「レイミー・モダン」を訪ねてみましょう。世界中からサスカトゥーンを訪れる人々が注目を集め、アートと地域、そして世界のコミュニティをつなぐ役割を担うミュージアム。この土地に受け継がれる先住民アート、多種多様な近代・現代アートの世界を堪能したら、しめくくりは、レイミーのメインフロアにあるレストラン「シフト」でモダン・カナディアン料理のランチを。食と土地のつながりを実感してみてください。

午後は神秘の湖、リトル・マニトゥ・レイクへ。サスカトゥーンから車で1時間。リトル・マニトゥ・レイクでは、湖面にゆっくりと沈む夕日を眺めたり、湖水を利用した温泉で、浮力に身を委ねたり、自然の神秘的な力を身近に感じながら心を開放しましょう。

The sun rises over the water in Saskatoon

TSUNAGARIポイント

The exterior of the Remai Modern museum

レイミー・モダン

2017年のオープン以来、近代・現代アートを収蔵する新たな美術館として、このプレーリーの中心に誕生。レイミーに足を踏み入れると、そこはまるで異次元の世界。館内に存在するあらゆるもの、さらにはそのはるか彼方の世界まで、探索の旅を味わえる空間が広がっています。アートと地域社会、さらにはグローバルなコミュニティをつなぐレイミー・モダン。ここで知は共有され、「温故知新」の言葉どおり、伝統の中に新たな視点をもたらします。広大なオープンスペースで彷徨いながら、この土地に受け継がれる先住民アートから、世界最大を誇るピカソのリノリウム版画コレクションまで、アートの世界を堪能できます。 サウスサスカチュワン川南岸のダウンタウンにあるレイミー・モダン。川と街が織りなす美しい景色に包まれて、ガイドツアーに参加したり、リノリウム版画講座でピカソ気取りでオリジナル作品を制作したりと、楽しみは尽きません。

The cafe at the Remai Modern museum

シフト

サウスサスカチュワン川のほとり、窓の外に素敵な景色が広がる、レイミー・モダンのメインフロアにあるレストラン「シフト」。シフトは、カナダの過去・現在・未来の物語をテーマに、この土地に伝わる味を独創的な手法で仕上げることを使命に掲げており、カナダならではの味を現代風にアレンジしたコンテンポラリー・キュイジーヌを通じて、食と土地のつながりを実感できます。メニューはカナダ文化を反映し、プレーリーに伝わる人気料理にスポットライトを当てています。鴨のコンフィ、地元ディーフェンベーカー湖産のマス、風味豊かなマカロニ&チーズ、コーニッシュヘン(野鳥)肉にレンガを重石として乗せて焼き上げるグリル料理など、どれも食欲をそそります。

Relaxing in a Saskatchewan river

リトル・マニトゥ・レイク

サスカトゥーンから南東へ、車で1時間ほどのところにあるリトル・マニトゥ・レイク。「カナダの死海」とも呼ばれ、塩分濃度が高く浮力が大きいため、誰でも身体を浮かせるかとができ、仰向けに浮かびながら読書を楽しみながらリラックスできる贅沢な時間を過ごせます。「マニトゥ」とは東北森林地帯にすむアルゴンキン系の言語を話す部族の言葉で、「神秘」を意味し、ミネラル豊富な湖に治療効果があったことから、先住民たちは「癒しの湖」と呼んでいました。やがてヨーロッパからの移民にも湖の不思議な力が認知されるようになり、20世紀初めには、傷やリウマチなどに効果があると評判が広まり、リトル・マニトゥ・レイクは屈指のリゾート地と発展し、現在は、サスカチュワン州の中で最も訪れるべきスポットの1つとされています。
この湖水を温泉に使用している「マニトゥ・スプリングス リゾート&ミネラル・スパ」はスパやプールを併設したリゾートホテル。窓の外に広がるパノラマの湖。静けさと自然の壮大さの中に身を置きながら、先人の暮らしに思いを馳せ、マニトウのスピリットを自身で体験してください。

5日目

リトル・マニトゥ・レイク滞在2日目、リゾートのスパトリートメントで心ゆくまでリラックスしたり、湖のビーチでのんびり。小さな町の中のアートギャラリーやアンティークショップ、1928年に建てられたダンスホール、ダンス・ランドを訪れ、地元の人々とのふれあいを楽しみましょう。穏やかなこの地にあこがれて移住してくるアーティストも増えているそう。日々の忙しさから自信を開放して、ありのままの自分に戻る時間を心ゆくまで堪能しましょう。明日はいよいよ帰国の旅です。

Saskatchewan's Danceland Ballroom